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2009年01月28日

チャレンジ!:貝紫:古代染め:イボニシ貝@新潟:パート1

イボニシ貝は普段はあまり気にもしていませんが秋から冬にかけてテトラの波打ち際程度の水位の場所で見かけることが多くなります。

今シーズンは穴釣りに出かけるとイボニシ貝が目に付きました。

釣れないことも手伝い、暇な時にイボニシ貝を採って何回か持ち帰ってきました。

食べるためというのが1番の理由ですが以前にお知らせしたとおりイボニシ貝は貝紫という色素を持っており、染物に利用できるのです。

そんな話があるとやってみたくなりますよね。

これは試さない手はないと貝紫染めに挑戦することにしました。

この貝、悪鬼貝(あっきがい)科の貝で肉食です。当て字なのかどうか分かりませんがいかにも悪い奴という印象を与えますね。

小さく集落を作った紫貝の稚貝が集まっている所やフジツボの群落に取り付いて捕食している姿を見かけます。
私が通うフィールドでは紫貝の場所がほとんどですが、食べられた後の残骸は紫貝の貝殻の中側の白色と紫色とのコントラストが目に付くので良く分かります。

さてこのイボニシ貝、他の貝などを食べる際に鰓下腺(パープル腺)から神経を麻痺させる分泌液を出します。

6.6ジ-ブロムインディゴ(C H Br N O )と呼ばれる色素の1種が還元された状態で貯蔵されているのだそうです。
そして面白いことに、この分泌液は太陽の光、具体的には紫外線にあたると酸化されて紫色に変化する性質があります。

これを古代の人たちは染物に使っていたのです。ビックリ

しかしこの染料、収量を得るのはものすごく大変です。

耳掻き1杯の染料を得るために100個近い貝が必要だとか言われています。

一着分の服を染めるための染料を得るには何千個もの貝が必要になります。

このような理由で貝紫で染めた物は相当な希少価値、付加価値が付きました。

貝紫は英語ではロイヤルパープル、皇帝紫と言われます。

古代に紫色の衣服が高貴な、権力の象徴とまで言われた理由がここにあります。

そして、こんなところから洋の東西を問わず”紫”は高貴な色という概念が生まれたようです。

クレオパトラが衣装を紫色に染めたり、聖徳大使が冠位十二階で最高位の色としたこともよく知られています。

宗派にもよるようですが僧侶の袈裟も紫が一番高い位の色と言われるのは同じような理由です。
お坊さんの袈裟(大衣)の色は緋色→緋恩衣→黄色→古代紫色の順だそうで、勝手に色を決められないそうです。


さて染料を得るのはかなり大変なことを知っていたので自分が食べるために採ってきた20-30個の貝で何か出来るとは思わず、いつも採ってくると酒蒸しにして食べてしまってましたテヘッ

チャレンジ!:貝紫:古代染め:イボニシ貝@新潟:パート1

たまたま大きな貝が取れたこともあり、一回は挑戦してみようと貝紫の古代染めに挑戦しました。

子供が描くような5cm位の小さな一筆書き程度の絵が描ければよいので、10個もあればなんとかなる?ようなことも書かれていたのでまずは挑戦です。

染物の色素はパープル腺(鰓下腺)を集めればよいということが分かりましたが貝のどの場所にパープル腺があるのか全く不明。

いろいろ調べましたが結局分からずじまいでした。

バイ貝やツブ貝の唾液腺は分かります。(ちなみにツブ貝の唾液腺はテトラミンという神経毒があり、これを採らないで食べると中毒を起こします。これ、ろれつが回らなくなったり、動作が鈍くなるなどの症状が出ますが命に関わるようなこともなく数時間で回復するようです。)

やればなんとかなるかな、、、当たって砕けろ、、、ということで

冷蔵庫で生きた状態で保存し、晴れた天気の良い日にやりました。

なぜかといえば、色素のある場所がよく分からなくてもとりあえず紫外線に当てれば所在が分かると思ったからです。

外套膜の近くにあるものだろうということは想像できたのですが、、、

チャレンジ!:貝紫:古代染め:イボニシ貝@新潟:パート1
用意した道具などです。

まずは貝を一個潰して見ました。でも本当に叩き潰してはだめです。

内臓を潰さないようにして身といっしょに取り出し縦に半分に包丁で割を入れてみました。

唾液腺は分かるのですが違うようです。ZZZ…
唾液腺とかめぼしい組織を新聞紙に押しつぶすようにして塗りつけ日光に当てますが変色しません。汗

あちらこちらといろいろ試しているうちにパープル腺がある場所が分かりました。キラキラ

パープル腺は外套膜より内臓側でその直下に縦長に存在していました。

はっきり分かるような袋はありませんがやや蛍光を帯びたような黄色~草緑色のものが目的の色素だということが分かりました。

チャレンジ!:貝紫:古代染め:イボニシ貝@新潟:パート1
少し分かりにくいですが真ん中辺りの黄色い部分です。

こいつを先の細いピンセットで拭い取る様に集めました。

しかしこの色素、貝によって量にばらつきがあり全く見当たらないものもありました。ビックリ

シャーレにおよそ10個分の色素を採りましたが耳掻きの1/4程度のものです。

ここに水を数滴たらしてピンセットの先で潰すようによくかき混ぜたのがこちらです。

チャレンジ!:貝紫:古代染め:イボニシ貝@新潟:パート1

つづく(こちらへどうぞ





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この記事へのコメント
さすがアクティブですな~w。僕も以前イボニシの事をネットで調べている時に、古代染めの原料になるという事を知ったのですが、自分で染めてみる等という事は、考えもせず酒のつまみに食すのみでありましたw。  

岩ガキを採っていると、イボニシが岩ガキに群がっている事がよくあります、どんどん採って食べたり、古代染めしたりしてやっつけましょう!続きがたのしみですw
Posted by 加治 at 2009年01月29日 18:55
加治河童さん おはようございます
そのうちチャレンジしてみてください。
パープル腺についてはもっと詳しい記事を出す予定です。
岩ガキにも群がることがあるのですね。
びっくりです。
Posted by 釣り親父 at 2009年01月30日 07:50
 
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チャレンジ!:貝紫:古代染め:イボニシ貝@新潟:パート1
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