毎週末、ソバを打つと書きましたが、ソバつゆも自分で作ってます。
いくら美味しいソバでもつけ汁が美味しくなければ台無しです。水ソバみたいにソバだけの味を味わうのではないのですから。
ソバつゆを作る上でまずなくてはならないものが”返し”です。
返しがあればだし汁とあわせることでかけ汁やつけ汁、その他煮物にも利用できます。
市販のものもありますが手作りはやはり違います。(そう思っているだけかもしれませんが)
作るのは簡単ですから皆さんもぜひ挑戦してみてください。
大きく分けると
生返し:醤油に火入れをせず寝かして熟成させる。きりりとした味わい
本返し:火を入れて作る。醤油の角がとれまろやかな感じ
があります。
本返しがお手ごろなので私が作っている本返しの作り方をお教えします。
今までソバやうどん系の調理本をいろいろ読み漁り、いろいろ試した上で現在採用している方法です。興味のある方はいろいろ勉強して他の作り方も試されるといいと思います。
まず揃える材料は
1.醤油1L(銘柄は各人の好みで。私はヤマサの有機丸大豆の吟選醤油です。)
2.みりん200ml(本みりんです。アルコール濃度も違い値段も違います。これは主に酒税法によります。みりんは本来お酒の1種です。新味料やみりん風調味料と言うのはアルコール分がほとんど含まれておらず酒税法の対象外なので安いのです(わざと安くなるように作っています)。ダメとはいいませんが味は保証の限りではありませんし日持ちに影響するかもしれません。
3.ザラメ糖150g
まず弱火でみりんを焦がさないようにザラメ150gを混ぜてよくかき混ぜながら溶かします。おおよそ10分位かかります。ほったらかしておくと底で焦げるので気をつけましょう。
完全に砂糖が溶けたらここに醤油1Lを入れよくかき混ぜます。初めによく混ぜないと底に濃度の高い溶けた砂糖と味醂の層がそのまま残り焦げます。
火をやや強め沸騰させないように注意しながら細かいアクに似たような泡が表面や縁に出来始めたら火を止めます。(これで大体80℃程度、これ以上は温度を上げてはいけないことになってます)
沸騰させると醤油からメラノイジンという物質の生成反応が進みすぎて醤油の変色が始まり風味が落ちます。
メラノイジンは醤油のアミノ酸成分と糖がアミノカルボニル反応を起こして出来る成分で、非常に良い香りを出します。料理の際の醤油の鼻をくすぐる匂いはこれが正体ですが度を過ぎると焦げ臭さと苦味が出てきます。
火からおろしたら容器に蓋をして湯気で水分が飛ばないようにして冷まします。
これを本来ならカメに入れて蓋をして数日から1週間位寝かせると味がまろやかになりますがすぐの使用も可能です。空気に触れることで熟成するのだそうです。以前は1週間ほどカメに入れてからボトル詰めしてました。今は面倒なので、完全に冷めたところで空いた醤油のボトルを再利用してキャップをして保存してます。この際多少空気の部分を作るといいかもしれません。
”かえし”と書いておかないと間違って使われてしまいます。
醤油や糖の濃度が濃いので常温に置いてもかびたり痛むことはありませんが冷暗所保存が基本です。
醤油は空気に触れると熟成が進み味や色が変化してゆきます。刺身醤油は封を開けたときは色が薄い感じがありますが、使っているうちに色が濃くなってゆくのがわかります。
この本返しを使って、本枯れ節と羅臼昆布からだし汁を取り本格的な江戸風の辛汁の作り方は
こちらをどうぞ